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咳(せき)とは
咳は肺や気管支の中に外から入ってきた異物を取り除こうとする防御反応です。風邪に罹ったときに咳や痰が出るのは、体内に入ったウイルスや細菌を外に追い出すためです。しかし咳そのものが長引いてしまうと、会話のときや寝る前に出続け、筋肉や骨を痛めたりして日常生活に支障を来たします。原因は感染症以外にもアレルギーなど非常に多岐にわたるので、診断が難しくなっております。原因を特定することが最も大切なことです。
咳は気管支や肺だけでなく、のど、鼻、食道など幅広い臓器に分布する咳のセンサー(末梢咳受容体)が刺激され、神経を介して、脳中枢に刺激が伝わることにより、反射的に起こります。また咳を意図的にこらえることを可能にしているのは、咳が大脳による制御を受けているからと言われています。ストレスなどが原因で起こる咳を心因性咳嗽と言いますが、この咳反応には大脳由来の機序も想定されています。
Timeframe
咳の好発する時間帯
咳喘息・喘息
夜間~早朝をピークに、昼夜を問わず咳が出る。
逆流性食道炎
食後や臥床にて悪化、日中の会話で咳払いなどを起こす。
後鼻漏
痰がらみの咳が特徴で、就寝中は出ず起床時に悪化する。
細菌性肺炎・気管支炎(マイコプラズマ、百日咳)
昼夜問わず、感染症に伴う咳は出続ける。
心因性咳嗽
会議など精神的な緊張を伴う場面で悪化し、帰宅後などでは出ない。
感染後咳嗽
かぜ(感冒)はウイルス感染により、気道感染を起こすことにより咳が出ます。外敵を排除し、痰を排出させるために咳反射が起こります。そして、気道粘膜に傷害が起こると、気管支は一時的に過敏となり、気道粘膜が修復されるまでの間(2~3週間)は咳が出やすくなります。そのため、かぜ(感冒)でも2~3週間程度は咳が続くことがあり、これを感染後(感冒後)咳嗽といいます。