下肢閉塞性動脈硬化症とは
下肢閉塞性動脈硬化症(ASO)とは動脈硬化により動脈が詰まり下肢(脚や足)への血流が悪くなる病気です。
糖尿病、喫煙、脂質異常症(中性脂肪コレステロールが高い)、高血圧、慢性腎不全で透析中などでかかりやすくなります。
重症になると下肢切断の危険があります。
症状
初期症状
足先の冷えなどを感じます。
中期症状「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」
ある程度の距離を歩くと筋肉(腰、おしり、太もも、ふくらはぎ)のだるさや痛みが強くなって歩けなくなります。
※間欠性跛行には下肢閉塞性動脈硬化症に代表される血管性の間欠性跛行と、整形外科的な疾患(脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア)で起こる神経性の間欠性跛行がありますので、鑑別が必要です。
後期症状「重症虚血肢」
夜眠るのも困難なほどの激しい痛みを感じるようになったり、ちょっとした足先の傷(靴擦れ、どこかにぶつけた、深爪、低温熱傷など)をきっかけに指先に潰瘍ができたり、さらには進行すると壊疽となり、いくら塗り薬を塗っても治らなくなります。
そのまま適切な治療を行わず放置すると、足が壊死し、切断しなければならない事態になる可能性もあります。
治療方法
生活習慣の改善
◆ 禁煙
◆ 基礎疾患(糖尿病、脂質代謝異常、高血圧、高尿酸血症、腎機能障害など)のコントロール
◆ 食事・生活習慣の是正(抗酸化物質の摂取:野菜や果物など、ストレスの軽減)など
運動療法
下肢血行障害による間歇性跛行症状に対する初期治療のひとつとして監視下運動療法が推奨されます。運動療法による効果としては、腓腹筋(ふくらはぎ)の血流増加や血管内皮機能の改善による血管拡張性の改善、新生血管の増加、筋力・持久力の改善による歩行時間の延長などが挙げられます。
薬物療法
下肢冷感や間歇性跛行(歩行による下肢重苦感の出現)などの症状に対しては、上記のリスクコントロールに加えて、抗血小板剤(血管拡張作用と血小板凝集抑制作用を有する)を内服し、その後の下肢症状の改善の状況を評価します。
バイパス手術
自分の静脈または人工血管を用い閉塞した血管につなげる手術です(必要に応じ専門病院へ紹介します)。