不整脈とは
心臓の電気信号の流れが正しく行われなくなり、脈が乱れている状態を言います。
不整脈は大きく分けると脈が1分間に50以下の場合を徐脈性不整脈、100以上の場合を頻脈性不整脈に分けられます。
中には、動悸や脈が飛ぶ症状を自覚するときはまず不整脈を疑いましょう。
最も多い頻度の不整脈は、「時折、脈拍が飛ぶ」期外収縮です。予期したときから外れて心臓が収縮するのでそのように呼ばれています。期外収縮の起源によって、上室性(心房性)期外収縮と心室性期外収縮の2種類があります。期外収縮以外に、治療すべき不整脈で最も頻度の多いものは心房細動です。
心臓の心房というところが、非常に速い頻度で興奮して、心室と連携して拍動しなくなります。心拍のリズムの規則性は完全に失われ、心拍数は40〜230拍/分に変動します。心房と心室が連携して動かないため、心臓の中で血液が淀み、血液の塊(血栓)ができやすくなり、それが飛んで脳の血管に詰まると、脳梗塞を起こしてしまいます。心臓は通常、速い頻度で興奮し続けるために、疲労困憊し、心臓の収縮力が弱まり、動いた時に息切れを自覚するようになります。この状態を心不全といいます。
原因
心臓弁膜症
心臓の中の弁(僧帽弁、大動脈弁)が機能していない時。心臓の部屋が肥大し、心臓の筋肉内を通る電気信号の流れが乱れやすくなります。
狭心症、心筋梗塞
どちらも心臓の血管が詰まり、心臓の筋肉に血液がまともに流れにくくなることで心臓の筋肉や神経が障害を受けて不整脈が出やすくなります。
高齢(動脈硬化)
動脈硬化と不整脈は関連がないように感じる方もいるかと思います。しかし血管の動脈硬化が進むと、心臓が血液を送るのに抵抗が増えることになります。すると心臓が拍動すること自体に負担が増え、心筋に影響が出てきます。結果として心臓内の電気信号の流れに乱れが出てしまうのです。
貧血・脱水
身体の中の水分が減ると、頻脈性の不整脈を起こすことがあります。
ホルモン
有名なのは甲状腺機能亢進症です。心房細動という不整脈を合併し、心不全や失神を起こすことがあります。
生活習慣の影響
運動、ストレス、睡眠不足、飲酒、喫煙、疲労などが、不整脈を引き起こします。
治療方法
内服
抗不整脈薬と心臓を休ませる薬で不整脈の発症を抑える効果があります。
カテーテルアブレーション治療
不整脈の起源となっている部位を同定し、その場所を低温で焼いて不整脈が起きないような治療をします。
ペースメーカ植え込み術
心臓の動きを助ける効果があります。