帯状疱疹とは
帯状疱疹とは、水痘(水ぼうそう)と同じ水痘・帯状疱疹ウイルスで引き起こされる感染症です。
初回感染は水痘として発症します。水痘は子どもの頃に発症し1週間程度で治りますが、治癒後もウイルスは体内の神経節に潜伏しています。
その後、加齢やストレス、過労などが原因となってウィルスに対する免疫力が低下すると、神経節に潜伏していたウイルスが再活性化し、神経を伝わり皮膚に到達して、痛みを伴う赤い発疹と水ぶくれが多数集まって帯状に生じます。皮疹は身体の左右いずれか側の一部に出現します。80歳までに約3人に1人が発症すると言われています。
症状
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数日~10日間ほど神経痛のような痛み
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身体の左右どちらか一方の神経に沿って帯状に赤い発疹が出現
治療
抗ウイルス薬
増殖を抑制し、急性期の皮膚症状や痛みを緩和し、合併症や後遺症を軽減します。
鎮痛薬
強い痛みを軽減させて、体を休め治療効果を高めていきます。
抗炎症剤の塗布
皮疹部分に塗布し、炎症を抑える治療を行います。
帯状疱疹後神経痛
帯状疱疹の発疹が治った後でも、ウイルスの攻撃によって神経に傷跡が残ってしまい、痛みだけが長い間残ることがあります。
内服薬による治療を行ないますが、痛みが激しい場合には、「神経ブロック」という神経の周りに局所麻酔を直接注射する治療を行なうこともあります。
ワクチンで帯状疱疹の発症を予防することができ、当院でもワクチン接種による発症予防を推奨しております。
現在日本には2種類のワクチンがありますので、以下に詳細を記載いたします。
ビケン(乾燥弱毒性ワクチン)
◆ 対象:50歳以上
◆ 接種回数:1回
◆ 接種方法:皮下注射
◆ 効果:発症予防率 約50%
◆ 持続期間:約5年
◆ 費用:9,900円
シングリックス(不活化ワクチン)
◆ 対象:50歳以上
◆ 接種回数:2回(2か月あけて6か月以内に)
◆ 接種方法:筋肉内注射
◆ 効果:発症予防率 約90%
◆ 持続期間:少なくとも9年
◆ 費用:22,000円
※ワクチン接種費を助成する補助事業を東京都で行っており、ワクチン接種を御希望の方はそちらの確認と事前に電話でのご予約をお願いします。